FF7ACレビュー

きるだけ、前情報なしの真っ白な自分のままで見たいと思っていた。
それでもCMやポスターで、あの映像の断片を見かけてはいた。
だが、その程度の前情報が、なんだったというのだろう?
実際にあの映像をまるごと体験した、その衝撃は、そんなもの軽く吹き飛ばしてしまった。

により凄まじいのは、画面からほとばしる映像の説得力だと思う。
映像がきれい、だけでは、全然足りない。
フル3DCGならではの、現実ではありえない世界が、現実ではありえない視点(カメラワーク)で、眼前に広がっている。その目が覚めるような感覚。
空気や風や霧が、水や土や木が、建物や鉄骨やメカが、そして人が、
実際にそこには在る。

FF7の、SFでありながらファンタジーの匂いのする、その広大な世界を体感できること。
そこで喜び、苦しみ、闘い、生きている人々の息吹を感じられること。
この作品の凄みというのは、そこにこそ、あるんじゃないかと思う。

では、面白いの面白くなかったの、いろいろな感想がうずまいているようだけど、私はこの作品が大好きだ。
なぜって、FF7が好きだから(笑)
結局のところ、そういうことじゃないかと思う。

つまり、この作品は完全にFF7を知っている人に向けて作られている。
だから、前作のあらすじ紹介モノローグや多少の用語説明はもちろんあるけれど、基本的に余計な解説は入れていない。
だから、そこで物語のスピード感が損なわれることがない。
息もつかせずに、一気にラストまで突っ走っていく。

逆に言えば、FF7を知らない人だと、置いてきぼりをくらうかもしれない。
ストーリーは単純で、その分、数多いキャラクターを描くことがメインになっているし、場面のインパクトを優先している感がある。
ゲームをやっている人間にはたまらない、過去の名シーンの回想フラッシュバックも多い。 雰囲気で感じるセリフも目立つ。
疑問点やご都合主義的展開が気になる人もいるだろう。
このあたりもキャラクターに対する思い入れ次第で、大きく評価が分かれそうだ。

感想に表れる温度差は、そんなところから来てるんじゃないだろうか?

から、FF7が好きな人なら、とにかく一度見て損はないと思う。
まあ、お気に入りのキャラが活躍するかどうかとか、グラフィックが違いすぎて違和感を感じるとかはあるかもしれないが、基本的にはゲーム版を大事にして作ろうという、スタッフの気持ちが伝わる良作だ。
懐かしいキャラや場面や音楽に、再び出会える喜びは大きいと思う。

ゃあ、FF7を知らない人はといえば、幸いにもDVDにはFF7のダイジェスト(約30分)が同封されてるので、ぜひ先にそちらを見ておくのがオススメ!
世界観や基本的な知識、出てくる人物や過去の重要な事件などが、かなり効率よくまとめられているので、忘れかけの人もチェックしておくと心おきなく楽しめるかも。
ついでに、ゲーム版とのCGの技術格差も実感できる(笑)
(とはいえ私はあの頃の、がんばって演技している3等身キャラ達にも、愛着があるがv)

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