お気に入りシーン

BEST1 ● 教会に咲く花

ライフストリームの池ではしゃぐ子供達を見渡すクラウド、その後姿に気づく。
しゃがみこんで子供と話していた女性が、立ち上がり脇の出口に向かって歩き出す。ピンクのリボン、栗毛の長い髪、赤いジャケット…。
食い入るように見つめるクラウド。
彼をゆっくりと振り返るエアリス、ふわりと微笑む。
エアリス 「もう大丈夫、だね」
出口に肩を預けて立っていたザックス、ひらりとクラウドに手を振る。
光の中に消えてゆく、ふたりの後姿。
クラウド 「…俺は、ひとりじゃない」

を上げて泣きました。涙が止まらなかった……。
どうしてそこまで泣けたのか、わからなかった。
その気持ちを冴水は、友達にこうメールしています。

「これは八年ぶりにエアリスの笑顔が見られた嬉し涙だったのかな〜?
それともクラウドに感情移入してて、会えないはずの人に出会えた感動なのか、 はたまた背中見せて去る彼女がせつなかったからか?
自分でもわかりません……」

でも、今ならこう思える。

エアリス、あなたに会えてよかった。会えてうれしかった。
一緒にいられたのがわずかな時間だったとしても、
その出会いに、あなたという存在自体に、
……ありがとう。

だから、やっぱり嬉し涙だったんだと思います。

応断っておくと、この場面自体が泣けるとか、ストーリーが感動的だとか、主人公が泣いててもらい泣きとかいうことはありません。
とても静かで、綺麗で、さわやかな場面です。
たぶん、FF7をプレイしていない人なら、普通に見てると思います。
もう、ひとえにキャラクターへ感情移入してるかどうか。
ゲームをわくわくしながらプレイして、あちこち冒険して、エアリスを地道に育てて、 そして突然エアリスを失って、呆然とした人じゃないとわからないんじゃないかな(笑)
だからここで泣ける人って、やっぱりエアリストだってことですよね〜。

れにつけても、この教会の光と水の美しいこと。
本当は3DCGにとって、形や色のないこうした自然物は苦手分野なのだそうです。
そこはやはりスクウェアのグラフィックの高い技術力と、この作品にかける並々ならぬ意気込みを、ひしひしと感じます。
特に意識せずに周囲を見渡していたクラウドが、エアリスが視界に入った時の表情の変化とか、振り向くエアリスの、首筋にけぶる後れ毛がふわっと揺れる感じとかも。
アニメーションという分野において、リアルであることが決して作品のクォリティーとイコールにはならないものですが、それでも映像の持つ説得力から生まれる感動、っていうのがあるもんだとしみじみ感じますね。

なみに、ここでなにげに登場してるザックス、やばいくらい格好いいです。
もちろん、冴水がザックスびいきだからということもありますが…(笑)
あの手を振るしぐさの、さりげなさ。
この場面があくまでさわやなかなのは、エアリスとザックスが、最高に前向きで自由だからだと思います。

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